ご報告｜トルヒビ

このたび、私が運営する小さな野球応援サイト「サンニッパ」の活動をしばらくお休みすると決めました。 サイトのご報告記事では運営に関する問題と、私の心のなかの問題の２点を理由に挙げたのみでした。それ以上を誰でも読める場所でつらつらと書くことではないと思ったからです。 いつも親身に応援してくださった方々には、私の運営者としての一方的な報告だけでは足りないかなと感じていますので、お休みを決断するにいたった経緯を個人ブログのこちらに書き残します。上記の理由から有料記事にいたしました。お茶を飲みながら、ご飯を食べながら、ちょっと一杯やりつつ友人の相談に乗るようなイメージで……価格を決めたつもりです。かなりの長話になっております。笑経緯はきちんと書いたので、それなりの価格にさせていただきました。 多くの方に読んでいただきたいなんてこれっぽっちも思っていなくて、経緯を知りたい方だけが見ていただければ十分です。そして「そういう事情があったんだ……」とそっと心にとめていただけたら幸いに存じます。 心のなかの問題。今シーズンちょっと前から、もやっとした気持ちはすでに持っていました。このことにはシーズン初めの記事でも触れました。 ２０２１年１０月にサンニッパを立ち上げ、２年目のシーズン。１年目はがむしゃらに「知名度を！」と駆け抜けた気がします。そして２年目が始まるときに覚えた違和感。 発信のスタイルを変えてみたりなど、活動を続けながら軌道修正やチャレンジをしていきました。 それでも気持ちは晴れることなく、シーズン終盤は仕事の忙しさも相まって心身ともに疲れ果て、制作意欲のわいてこない日々に落ち込んでいました。仕事が立て込んでいるとどうしても自分の活動は後回しにせざるを得なくなり、悪循環。未発表の写真や記事が溜まっていきました。 最近、仕事でもやや行き詰まりを感じ悩んでいて、これはどういう感情なのか……と考えて考えて、ひとつの結論に達しました。 「自分の写真や、やり方に飽きてしまっている」 飽き、が最大の要因でした。 野球を撮る仕事について１５年（野球を撮り始めてからは２０年超）。個人で発信活動をするようになって８年。もともと飽きっぽく、珍しく写真と野球だけは長く続いていましたが「ようやく飽きがきたのか」と妙に腑に落ちてしまいました。 撮影しているときは楽しくて夢中だし、試合に入り込めています。問題はそのあとです。仕事ならある程度は割り切って写真を選べますし、困ったら先方に相談したり、担当記者の意見を聞いたりできます。 一方でサンニッパの活動はひとりでやっているので、一度つまづくと動かない壁をひたすら押し続けるような感覚と言いますか……好きで現場に出向いているはずなのに、自分が本当に見たい（撮りたい）のか、見なきゃいけない（撮らなきゃいけない）と思っているのか、書きたいのか、書かないといけないなのか、わからなくなってきてしまったのです。 仕事の合間をぬってギリギリのスケジュールで撮影（活動）予定を組んでいたので考えている時間なんて取っている余裕はなく、そのまま追われながら追いつくことなく時間だけが過ぎてしまいました。 今の私にはもっと内面を見つめる必要がある、いまは立ち止まった方がいい。これが心の面で休みを決断した経緯です。 もうひとつ、運営の問題点。 自分の心と同じくらい大事なのが、活動資金です。生活のため、活動のためにお金は必要です。お金がなければ現地へ行くことができませんし、交通費だけでなく、遠征となれば宿泊や現地での生活費もかかります。 コロナ禍を経て、いただくお仕事だけでなく、自分で仕事（お金）を生み出すことを目標にサンニッパを立ち上げましたが２年間は思い描いていたようにはいきませんでした。 みなさんが写真を購入してくださったり、サポートしてくださったことは大変ありがたく、活動の幅が広がったこと、そのために行ける出張があったことも確かです。本当に助かりました。何より直接私に届く喜びの声やお気持ちが励みになりました。それでも現実を見ると、このまま同じように続けていくことは難しい。お金のことは活動を続けていく上で、見直さなければいけない最大のポイントでした。 あとは体のこと。健康な体があってこそ、仕事と並行して活動することができます。 振り返ると、私は大学卒業から２０年、がむしゃらに走り続けてきました。昼夜バイトを掛け持ちしたり、月に何もない日（休み）が１日しかなかったり。正社員として働いたことがないので、ずっとこんな生活です。フリーランスは仕事の日と休みの日の境界線が曖昧な人も多いと思います。 ４０代になるとさすがに同じようにはいかないなと身をもって感じています。もう夜勤のアルバイトなんてできません。笑 個人で発信活動を始めてからも仕事のない日は自分の撮影へ行き、夜中まで記事制作をし早朝には起きて現地へ行く。できるけど、パフォーマンスが落ちているなというのは実感せざるを得ず、もどかしく感じることが多くなってきました。楽しいだけでは乗り切れなくなってきたのが現実です。 心身の健康を保ち、お金の心配もなく（完全になくすことはできないですが）今の４０代の私が１００％ベストコンディションでパフォーマンスを発揮できる活動スタイルを探していきたい。 １５年間もプロのカメラマンをさせていただいてますが、コロナ禍で仕事をいただけることのありがたさ、仕事があることは当たり前じゃないと気づき、もっと最高の自分で取り組まないといけないと考え方や取り組み方が変わりました。プロなのでベストコンディションじゃないときでも最大限のパフォーマンスは出さなければいけませんし、そうしてきたつもりです。 活動でも同じことが言えますが、いただく仕事と違うのは発信しても報酬が約束されているわけではないので、それなら突き詰めて自分の納得するものを作りたい。心身のコンディション、お金の問題など、整っていないと納得いくものは生み出せない、よいパフォーマンスは発揮できないということがわかったのです。 心のなかの問題と、運営上の問題。個人でサイトを立ち上げると決めてからは覚悟はしていたものの、仕事と並行してお金を生み出すことや心身の健康を保つことは本当に大変なのだと痛感しました。 ２年間活動してうまくいったこと、そうでなかったことを３年目に向けてちゃんと考える時間がたくさんほしい。今までのように走りながら考えられることではない。 悩みに悩んで、休む決断に至りました。 長くなってしまいすみません。もう少しだけお話ししたいと思います。 ２年目をやりきってからでいいのでは、とも思ったのですが、大きなもやもやを抱えながらは完走できませんでした。 休むと決めたものの、でも……とやはり踏み出せずにいたのですが、ある言葉に背中を押されました。 私が好きでよく見ていたyoutuberさんが「しばらくお休みします」という動画を最近更新されて、そのコメント欄にあった視聴者さんからの言葉。 好きな事なのに楽しい事なのに辛くなる…縛られて囚われる…。今が次のステージへ進むタイミングなんですね。自分の気持ちを大切に。 ああ、私も次のステージへ行く時なんだ。そう思えて、最終的に決心がついたのです。やめる、立ち止まるという決断は、やる、突き進むよりも何倍もの労力を要するものでした。 取材させていただいた選手、チームや記事を楽しみに待ってくださっている方に申し訳ない。期待に応えられず申し訳ない。好きで始めたことなのに、勝手に苦しくなっていたのが本当のところです。 動き出せる時が来るまで、歩みを止める。 現時点で新しくやりたいと思っていることがたくさんあります。それはこの活動のこともあり、全く別のこともあります。時間は有限なので、やりたいことをやるにも現状では圧倒的に時間が足りません。休む時間をそちらに充てて、視野を広げたいと思います。 同じことは繰り返さないよう、これからも手探りではありますが、一歩ずつ前に進んでいきます。発信を再開した時には、見ていただけたらうれしいです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。できればここに書かれていることは口外せず、読んでくださった方の心にとどめておいてください……。またみなさまにお会いできる日を楽しみにしております。 Naoko.T

ご報告

これまでのお礼と、これから328の目指すかたち

一度歩みを止めて、視野を広げたい